\―六月四日、コゼット。
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 ふたりの恋は非常に無邪気なもので、マリユスは今までコゼットの筆蹟さえも知らなかった。
 これまでの経過は数語につくされ得る。それはすべてエポニーヌの仕業《しわざ》であった。六月三日の晩以来、彼女は二つの考えをいだいた。一つはプリューメ街の家に対する父とその他の盗賊の計画を破ること、一つはマリユスをコゼットから引き離すことだった。彼女は通りかかりの若い無頼漢と着物を取りかえた。男はおもしろがって女装をし、エポニーヌの方は男装をした。シャン・ド・マルスの練兵場でジャン・ヴァルジャンに引っ越せ[#「引っ越せ」に傍点]という意味ありげな勧告を与えたのは、彼女だった。ジャン・ヴァルジャンは家に帰り、コゼットに言った。「今晩ここを引き払って[#「今晩ここを引き払って」に傍点]、トゥーサンといっしょにオンム[#「トゥーサンといっしょにオンム」に傍点]・アルメ街に行くんだよ[#「アルメ街に行くんだよ」に傍点]。来週はロンドンに行こう[#「来週はロンドンに行こう」に傍点]。」コゼットはその意外な打撃を受けて、マリユスに一言走り書きをした。しかしどう
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