潟スの手を自分の上衣ポケットにさし入れさした。マリユスは果たしてそこに紙があるのを感じた。
「取って下さい。」と彼女は言った。
マリユスは手紙を取った。
彼女は安心と満足との様子をした。
「さあその代わりに、約束して下さいな……。」
そして彼女は言葉を切った。
「何を?」とマリユスは尋ねた。
「約束して下さい!」
「ああ約束する。」
「あたしが死んだら、あたしの額に接吻《キス》してやると、約束して下さい。……死んでもわかるでしょうから。」
彼女はまた頭をマリユスの膝《ひざ》の上に落とし、眼瞼《まぶた》を閉じた。彼はもうそのあわれな魂が去ったと思った。エポニーヌはじっと動かなかった。すると突然、もう永久に眠ったのだとマリユスが思った瞬間、彼女は静かに、死の深い影が宿ってる目を見開いた。そして他界から来るかと思われるようなやさしい調子で彼に言った。
「そして、ねえ、マリユスさん、あたしいくらかあなたを慕ってたように思うの。」
彼女はも一度ほほえもうとした。そして息絶えた。
七 距離の推測に巧みなるガヴローシュ
マリユスは約束を守った。彼は冷たい汗がにじんでる青ざ
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