オかもまじめで悲痛だった。裂けた上衣からはあらわな喉元《のどもと》が見えていた。口をききながら射貫かれた手を胸に当てていたが、そこにもも一つ穴があいていて、開いた樽《たる》から葡萄酒《ぶどうしゅ》がほとばしり出るように刻々に血潮が流れ出ていた。
マリユスはそのあわれな女を、深い惻隠《そくいん》の情で見守っていた。
「ああ、」と突然彼女は言った、「また始まった。息がつまりそう!」
彼女は上衣をつかんで歯で食いしめた。その両膝《りょうひざ》は舗石《しきいし》の上に固くなっていた。
その時、少年ガヴローシュの若々しい声が防寨《ぼうさい》の中に響いた。彼は銃に弾《たま》をこめるためにテーブルの上に上がり、当時よくはやっていた小唄《こうた》を快活に歌ったのである。
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ラファイエットの姿を見、
憲兵どもはくり返す、
逃げろ、逃げろ、逃げろ!
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エポニーヌは身を起こして耳を澄ました。それからつぶやいた。「そうだ。」
そしてマリユスの方を向いて言った。
「弟がきてるのよ。見つかっては困るわ。文句を言うに違いないから。」
「弟だって?」とマリユ
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