モうにかかえたら痛くない? どこが痛む? ああどうしたら? だがいったい何しにここへきたんだ?」
そして彼は、腕を彼女の下に入れて助け起こそうとした。
そうしながら彼女の手に触れた。
彼女は弱い声を立てた。
「痛かった?」とマリユスは尋ねた。
「ええ少し。」
「でも手にさわったばかりだが。」
彼女はマリユスの目の方へ手をあげた。見ると手のまんなかに黒い穴があいていた。
「手をどうしたんだ。」と彼は言った。
「突き通されたのよ。」
「突き通された!」
「ええ。」
「何で?」
「弾《たま》で。」
「どうして?」
「あなたをねらった鉄砲があったのを、あなたは見て?」
「見た、それからその銃口を押さえた手も。」
「あたしの手よ。」。
マリユスは駭然《がいぜん》とした。
「なんて乱暴な! かわいそうに! だがまあよかった、それだけのことなら何でもない。僕に任せるがいい、寝床に連れてってやるから。包帯をしてもらってやろう。手を貫かれたくらいで死にはしない。」
彼女はかすかに言った。
「弾《たま》は手を突き通して、背中へぬけたのよ。ここからあたしを外へ連れてってもだめ。あたしほんとは、お
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