lRは死者と負傷者とを遺棄したまま、列を乱し混乱して街路の先端に退却し、再び闇夜《やみよ》のうちに見えなくなってしまった。先を争う潰走《かいそう》だった。
 防寨《ぼうさい》は回復された。

     五 ジャン・プルーヴェールの詩の終わり

 人々は皆マリユスのまわりに集まった。クールフェーラックは彼の首に飛びついた。
「君がきたのか!」
「実にいい具合だった!」とコンブフェールは言った。
「いい時にきあわした!」とボシュエは言った。
「君がいなけりゃ僕は殺されるところだった!」とクールフェーラックはまた言った。
「お前がいなけりゃ俺《おれ》はやられちゃった!」とガヴローシュは言い添えた。
 マリユスは尋ねた。
「首領はどこにいる?」
「首領は君だ。」とアンジョーラは言った。
 マリユスの頭の中は、朝から溶炉のようになっていたが、今では旋風のようになっていた。彼の中にあったその旋風は、あたかも彼の外部にあって彼を吹き去ってるかのようだった。彼は既に人生から無限の距離に吹きやられてるような気がした。突然恐ろしい断崖《だんがい》に終わった喜悦と愛との輝かしい二カ月、失ってしまったコゼット
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