チたく人の心胆を寒からしむるものだった。攻撃力は激烈で、最も大胆な者らをも再考せしむるほどだった。向こうは少なくとも一個連隊くらいはいそうだった。
「諸君、」とクールフェーラックは叫んだ、「火薬をむだにするな。敵がこの街路にはいって来るのを待って応戦するんだ。」
「そして何よりも、」とアンジョーラは言った、「軍旗をも一度立てることだ。」
 彼はちょうど自分の足下に落ちた赤旗を拾い上げた。
 外には、銃の中に入れる※[#「木+朔」、第3水準1−85−94]杖《さくじょう》の音が聞こえていた。軍隊は再び銃に弾をこめていたのである。
 アンジョーラはまた言った。
「勇気のある者はいないか。防寨《ぼうさい》の上に軍旗を立てて来る者はいないか。」
 答えはなかった。まさしく敵が再び銃を構えてる瞬間に防寨の上に上がることは、単に死を意味するのみだった。最も勇敢な者も自ら死地につくことは躊躇《ちゅうちょ》せざるを得ない。アンジョーラ自身も戦慄《せんりつ》した。彼は繰り返した。
「だれも出ないか。」

     二 軍旗――第二|齣《せつ》

 一同がコラント亭に到着して、防寨を作りはじめた時、マブー
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