ニ入り乱れて、あたかも人がまさに眠りに入らんとする時、閉じた眼瞼《まぶた》の下の靄の中に認める、名状し難い一種の燐光の網の目にも似ていた。それは炬火《たいまつ》の遠い反映に光ってる銃剣や銃身であった。
なお少しの猶予があった。両方とも待ってるがようだった。と突然、その闇《やみ》の奥から、一つの声が叫んだ。それを発した人の姿が見えないだけにいっそうすごい声で、暗黒自身が口をきいたのかと思われた。
「何の味方か?」
と同時に、銃をおろす音が聞こえた。
アンジョーラは鳴り響く傲然《ごうぜん》たる調子で答えた。
「フランス革命。」
「打て!」と声は言った。
一閃《いっせん》の光が、街路の人家の正面をぱっと赤く染めた。あたかも溶鉱炉の口が突然開いてまた閉じたかのようだった。
恐るべき爆鳴が防寨《ぼうさい》の上に落ちかかった。赤旗は倒れた。そのいっせい射撃はきわめて猛烈で稠密《ちゅうみつ》であって、赤旗の竿《さお》、すなわち乗り合い馬車の轅《ながえ》の先を、打ち折ってしまったのである。また人家の軒にはね返った弾丸は、防寨の中に流れてきて数名の者を傷つけた。
その第一のいっせい射撃は、ま
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