ナ》の頂とすれすれに頭を出し、銃眼のようにして舗石の上に銃身を定め、注意をこらし、口をつぐんで、すぐにも発射せんと待ち構えていた。六人の男はフイイーに指揮されて、銃を構え、コラント亭の三階の窓に陣取っていた。
 数分間過ぎ去った。それから、歩調をそろえた重々しい大勢の足音が、サン・ルーの方面にはっきり聞こえ出した。その足音は初めはかすかで、次にはっきりとなり、やがて重々しく響き渡るようになって、止まりもせずとだえもせず、静かに恐ろしくうち続いて、徐々に近づいてきた。聞こえるものはただそれだけだった。あたかも将帥の銅像が歩いてくるような沈黙と響きとだけだった。しかしその石のような足音には、ある巨大さと多数さとがこもっていて、一個の怪物だとも思われるとともに、一隊の群集だとも思われた。あたかも恐るべき一連隊の銅像が行進してるようだった。その足音はしだいに近づいてき、ますます近寄ってき、それから立ち止まった。街路の先端に多くの人の息が聞こえるようだった。けれども何も見えず、ただ、その奥に、濃い闇《やみ》の中に、ほとんど目につき難い細い針のような金属の光が無数に見えてるきりだった。その光は騒然
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