フ戦いを経て、シャンヴルリー街に行くことを欲しなかったからである。父とともにあれだけのことをなした後、その子の自分とともになすべきことを欲しなかったからである! 彼はまた自ら言った。もしその剣が今手もとにあったならば、もしその剣を死せる父の枕辺《まくらべ》から手に取って、街路におけるフランス人同志の夜戦のために、あえて持ち出していたならば、確かにそれは自分の手を焼きつくし、天使の剣のごとく、自分の前に炎を発し始めたであろう! また彼は自ら言った。その剣が今手もとになく行方《ゆくえ》知れずになったのは、仕合わせなことである。至当なことであり正当なことである。祖父こそかえって、父の光栄を真に守ってくれた人である。大佐の剣は、今日祖国の横腹を刳《えぐ》るよりも、競売に付せられ、古物商に売られ、鉄屑《てつくづ》の中に投げ込まれる方が、かえってよいでははないか。
 そしてマリユスは苦《にが》い涙を流し始めた。
 それは実にたまらないことであった。しかしどうしたらいいのか。コゼットなしに生きることは、彼にはとうていできなかった。彼女が出発した今となっては、彼はもう死ぬよりほかはなかったのである。自
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