ェは死ぬであろうと彼女に明言したではないか。彼女はそれを知りつつ出発した。それはマリユスが死ぬのを好んだからに違いない。そしてまた、彼女がもう彼を愛していないことは明らかだった。なぜならば、彼の住所を知りながら、ことわりもなく、一言の言葉もなく、一つの手紙も贈らず、そのまま出発したからである。今や、生も何の役に立つか、また何ゆえの生であるか! しかもここまでやってきながらまた後ろにさがろうとするのか、危険に近づきながら逃げようとするのか、防寨《ぼうさい》の中をのぞき込みながら身を隠そうとするのか。「要するに、もうそういうことはたくさんだ、はっきり見た、それで十分だ、単に内乱ではないか、足を返すべきである、」と言いながら、震えてのがれ隠れようとするのか。自分を待ってる友人らを見捨てようとするのか。彼らはおそらく自分の助力をも必要としてるだろう、一握りの人数をもって多数の軍隊に対抗せんとしているだろう! 愛にも、友情にも、誓いにも、すべてに同時に裏切ろうとするのか。自分の卑怯《ひきょう》さを愛国心の美名で装おうとするのか! 否それはでき難いことであった。そしてもし父の霊がそこに影の中にいて
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