って、はいってゆく者らは待ち受けてる者らの前におののき、待ち受けてる者らはまさにきたらんとする者らの前に震えていた。目に見えない戦士らが街路のすみずみに潜んでいた。墳墓の口が暗夜の深みに隠れていた。万事は終わったのである。今やそこで期待さるるひらめきと言えば、ただ銃火のみであり、そこで期待さるる遭遇と言えば、ただ突然の急速な死の出現のみだった。いずこにて、いかにして、いつの時にか? それはだれにもわからなかったが、しかし確実であり避くべからざることであった。そこで、争闘のために闇でおおわれたその場所で、政府と反乱とは、国民兵と下層社会とは、市民と暴民とは、手探りに互いに接近しつつあった。いずれにとっても、同じ必然の運命があった。殺されて出《い》ずるかもしくは勝利者となって出ずるか、そればかりが今は唯一の出口だった。事実はきわめて切迫し、暗黒はきわめて力強く、最も臆病な者らも決意を感じ、最も勇敢な者らも恐れを感じていた。
また双方とも、憤激と熱中と決心とを同等に持っていた。一方にとっては、進むことは死でありながら、だれも退くことを思わなかった。他の一方にとっては、止まっていることは死
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