剔R《ばくぜん》たる深いどよめきが発していた。
アルブル・セックの噴水のほとりには、幾つもの「集団」ができていた。それは一種陰惨な不動の群れであって、水の流れの中にある石のようにして行ききする人々の間に佇立《ちょりつ》していた。
プルーヴェール街の入り口では、群集はもう動いていなかった。皆ごく小声で語り合っていて、抵抗力のある太い堅固な緻密《ちみつ》なほとんど貫き難い塊《かたまり》となっていた。そのうちにはもうほとんど黒服も丸帽子も見えなかった。仕事着、労働服、庇帽《ひさしぼう》、剛《こわ》い毛のあるよごれた顔、などばかりだった。その群集は夜の靄《もや》のうちに漠然《ばくぜん》と動揺していた。そのささやきには、身震いをしてるような荒々しい調子があった。ひとりも歩いてる者はなかったが、地の上を踏む足音が聞こえていた。その密集した群れの向こう、ルール街やブルーヴェール街やサン・トノレ街の先の方などには、もう蝋燭《ろうそく》の光のさしてる窓ガラスは一つもなかった。街路には街灯の列が向こうまで寂しく続いていてしかもしだいに数が少なくなっていた。当時の街灯は綱にぶら下がってる赤い大きな星みた
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