ノついてる大きな槌《つち》を取ってたたいた。扉は開かれなかった。彼は二度たたいた。何の返事もなかった。彼は三度たたいた。やはりしいんとしていた。
「だれかいねえか。」とル・カブュクは叫んだ。
 何の動くものもなかった。
 その時彼は銃を取って、その床尾で扉をたたき始めた。それは穹窿形《きゅうりゅうけい》の低い狭い丈夫な古い通路門で、全部|樫《かし》の木で造られ、内部には鉄板を張り鉄骨が施されていて、監獄の暗道そっくりだった。銃床尾でたたいても、家は揺れたが扉はびくともしなかった。
 けれども、家の者らは心配したと見えて、ついに四階の小さな四角い軒窓に光がさし、それが開き、一本の蝋燭《ろうそく》が現われ、半白の髪をした老人の静かなしかもおびえた顔が現われた。それは門番だった。
 ル・カブュクは扉をたたくのをやめた。
「皆さん、」と門番は尋ねた、「何の御用ですか。」
「あけろ。」とル・カブュクは言った。
「それはできません。」
「是非あけろ。」
「なりません。」
 ル・カブュクは銃を取って、門番をねらった。しかし彼は下の方にいたし、ごく暗かったので、門番にはその姿が見えなかった。
「さああ
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