「男だった。
「グランテール!」と彼は叫んだ、「他の所で一眠りして酔いをさましてこい。ここは熱血児の場所で、酔っ払いの場所ではない。君は防寨《ぼうさい》の汚れだ。」
その憤激の一語は、グランテールに特殊な影響を与えた。彼はあたかも顔に一杯の冷水を浴びせられたようだった。そしてにわかにまじめになった。彼は腰をおろし、窓のそばのテーブルの上に肱《ひじ》をつき、何とも言えぬやさしさでアンジョーラをながめ、そして彼に言った。
「僕は君を信頼してるよ。」
「行っちまえ。」
「ここへ寝かしてくれ。」
「他の所へ行って寝ろ。」とアンジョーラは叫んだ。
しかしグランテールは、当惑したようなやさしそうな目をなお彼の上に据えて答えた。
「ここに僕を眠らしてくれたまえ……死ぬるまで。」
アンジョーラは軽蔑の目で彼をながめた。
「グランテール、君は信ずることも、思索することも、意欲することも、生きることも、死ぬることも、みなできない男だ。」
グランテールはまじめな声で返答した。
「まあ見ていたまえ。」
彼はなお聞き取り難い言葉を少しつぶやいたが、それからテーブルの上に重そうに頭をたれ、アンジョーラか
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