ムをぼうぼうとさし、雨にぬれ、それで満足げな様子をしていた。
少年は明らかに彼ら三人のだれをも知らなかったが、臆面もなくじろじろ見分けて、レーグル・ド・モーに言葉をかけた。
「あなたはボシュエさんですか。」と彼は尋ねた。
「それは僕の綽名《あだな》だ。」とレーグルは答えた。「何か用があるのか。」
「こうなんです。大通りで背の高い金髪の人が、君はユシュルー上《かみ》さんを知ってるかって私に言いました。知ってる、シャンヴルリー街の古手《ふるて》の後家さんでしょう、と答えると、こう言ったんです。『そこへ行ってくれ、ボシュエという人がそこにいるから、A――B――Cと僕が言ったと伝えてくれ。』だがそれだけのことだから、あなたをからかったんでしょうね。そして私は十スーもらいましたよ。」
「ジョリー、十スー貸してくれ。」とレーグルは言った。そしてグランテールの方を向いた。「グランテール、君も十スー貸してくれ。」
それで二十スー集めて、レーグルはそれを少年に与えた。
「ありがとう。」と子供は言った。
「お前の名は何と言うんだ。」とレーグルは尋ねた。
「ナヴェといってガヴローシュの友だちです。」
「
前へ
次へ
全722ページ中579ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
ユゴー ヴィクトル の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング