ノましい警鐘の響きが聞こえた。人々は大砲の音がするのを今か今かと待っていた。武装した男らが各街路の端に突然現われてき、「家にはいれ!」と叫びながらどこへか行ってしまった。人々は急いで戸をしめ切った。そして言った、「おしまいにはどうなるだろう?」刻一刻に、夜が暗くなるに従って、暴動の恐ろしい炎のためにパリーはますますものすごい色に染められてゆくようだった。
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   第十一編 原子と暴風

     一 ガヴローシュの詩の起原

 造兵廠《ぞうへいしょう》の前で人民と軍隊との衝突から突発した反乱が、その前進を止めて退却し、棺車のあとに従い各大通りに打ち続いて言わば行列の先頭にのしかかっていた群集のうちに、なだれ込んできた瞬間こそ、実に恐るべき干潮の光景を現出した。群集は乱れ立ち、列は中断し、人々は走り出し散乱した。ある者は攻撃の喊声《かんせい》をあげ、ある者は色を失って逃げ出した。大通りをおおうていた大河は、またたくまに二つに割れ、右と左とにあふれ出し、一時に両方の無数の横通りの中に、水門があけられたかのように奔流してひろがっていた。その時メニルモンタン街の方からやって来る
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