フわずかな金がつきてしまった時、庭の仕事も止めて荒れるに任した。以前から、もうずっと以前から、時々食べる二つの鶏卵と一片の肉片をも廃していた。食事はパンと馬鈴薯《ばれいしょ》だけになっていた。残ってる家具をも売り払い、次には夜具や着物や毛布なども二枚あるものは一枚売り、次には植物の標本や版画などを売った。しかし、なおごく貴重な書物は残していた。そのうちには非常な珍本が幾らもあって、特に次のようなのはすぐれたものだった。聖書歴史年譜[#「聖書歴史年譜」に傍点]、一五六〇年版。各聖書要目索引[#「各聖書要目索引」に傍点]、ピエール・ド・ベス著。マルグリットの諸マルグリット[#「マルグリットの諸マルグリット」に傍点]、ジャン・ド・ラ・エー著、ナヴァール女皇への捧呈文付き。大使の職員および品位につきて[#「大使の職員および品位につきて」に傍点]、ヴィリエ・オットマン閣下著。一六四四年版のユダヤ美文集[#「ユダヤ美文集」に傍点]一冊。「ヴェニス[#「ヴェニス」に傍点]、マヌチアニス家において[#「マヌチアニス家において」に傍点]」という金ぴかの銘がついてる一五六七年版のチブルスの詩集一冊。終わり
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