スの下にも人類の不滅が感ぜられる。噴火口の傷口や硫気口の湿疹《しっしん》などを所々に有するとも、潰瘍《かいよう》して膿液《のうえき》をほとばしらす火山があろうとも、地球は死滅しない。民衆の病気も人間を殺しはしない。
それでもなお、社会の臨床治療に臨む者は一時頭を振るであろう。最も強く最も愛深く最も合理的なる者らも、一時勇気を失うであろう。
未来は果たして到達するであろうか? かくも多くの恐るべき影を見る時、ほとんどそう自ら問わざるを得ないのである。多くの利己的な者らと悲惨な者らとに、痛ましくも当面してるのである。利己的な者らのうちにあるのは、偏見、高価な教育の暗黒、酩酊《めいてい》によってますます高まる欲望、人を聾者《ろうしゃ》にし愚昧《ぐまい》にする繁栄、ある者らにあっては苦しめる人々に背中を向けるほどの、苦痛の恐れ、頑迷《がんめい》な満足、魂の口をふさぐほどふくれ上がってる自我。また悲惨な者らのうちにあるのは、渇望、羨望《せんぼう》、楽しめる人々に対する憎悪《ぞうお》、飽満に対して人の獣性が有するあこがれ、靄《もや》に立ちこめられてる心、悲哀、欠乏、薄命、汚れたるただの無知。
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