ニいわるる大書棚のうちに、正当な場所を有するのである。世人が同意するかどうかは知らないが、隠語にもその語法と詩とがある。それは一つの言語である。ある単語の奇形なのを見ては、マンドラン([#ここから割り注]訳者注 有名な盗賊の頭領[#ここで割り注終わり])の歯にかまれたものであるかと思われるとしても、ある換喩の壮麗さを見ては、ヴィヨン([#ここから割り注]訳者注 中世の大詩人[#ここで割り注終わり])の口に上ったものであることが感ぜられる。
[#ここから4字下げ]
〔Mais ou` sont les neiges d'antan?〕
(さあれ去年の雪は今いずこ?)
[#ここで字下げ終わり]
という有名な詩句も、隠語の一句である。antan ―― ante annum ――というは、テューヌ団の隠語の一つであって、〔l'an passe'〕([#ここから割り注]昨年[#ここで割り注終わり])という意味であり、ひいては autrefois(昔)という意味になる。三十五年前、一八二七年囚人大護送の折りまでは、ビセートル監獄の地牢《ちろう》の一つに、徒刑に処せられたテューヌ団の一首領が壁上に釘
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