闍黷オむ。明るみは涙のうちに生まれる。光明ある者は暗黒なる者の上にも涙を流す。

     二 語根

 隠語、それは暗黒なる者の言語である。
 烙印《らくいん》を押されかつ反撥したるこの謎《なぞ》のごとき言葉に対する時、人の思想はその最も暗い深みにおいて刺戟され、社会哲学はその最も悲痛なる考慮を強《し》いられる。この言葉のうちにこそ目に見得る懲罰があるのである。各語は皆|烙印《らくいん》の跡を持ってるかと思われる。普通の言葉も皆ここでは、獄吏の赤熱した鉄の下に皺《しわ》を刻まれ焼き固められてるかと思われる。ある言葉はまだ煙を出してるがようである。ある文句は突然裸にされた盗賊の百合《ゆり》の花の烙印ある肩を見るような感がする。前科者たるそれらの名詞で言い現わされることは、いかなる思想もこれを喜ばないように見える。その比喩《ひゆ》はいかにも鉄面皮であって、あたかも鉄鎖につながれてるかと思われる。
 けれども、そういうものであるにかかわらず、またそういうものであるがゆえに、この異様な特殊語は、黄金のメダルと共に錆《さび》くれ銭をも並べる公平無私な大書棚《おおしょだな》のうちに、すなわち文学
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