《くぎ》で彫りつけた、次の格言が見えていた。〔Les dabs d'antan trimaient siempre pour la pierre du Coe:sre.〕([#ここから割り注]昔の王は皆成聖式に行きぬ。[#ここで割り注終わり])この王([#ここから割り注]首領[#ここで割り注終わり])の考えでは、成聖式とはすなわち徒刑場のことであった。
 また 〔de'carade〕 というのは、重々しい馬車が大駆けに出発することを意味するもので、この言葉もヴィヨンの使ったものとされているが、いかにもそれにふさわしいものである。四つの蹄《ひずめ》を火と熱せさせるこの言葉は、ラ・フォンテーヌの次のみごとな詩句を全部一つのいかめしい擬声語につづめたものである。

[#天から4字下げ]たくましき六頭の馬は馬車を引きぬ。

 純粋に文学上の見地よりすれば、おおよそ隠語の研究ほどおもしろくまた結果の豊富なものは少ない。隠語は言語のうちの一言語であり、一種の病的な瘤《こぶ》であり、一群の植物を生じた不健全な接木《つぎき》であり、古いゴールの幹のうちに根をおろし言語の方面にすごい枝葉をひろげてる、一つ
前へ 次へ
全722ページ中353ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
ユゴー ヴィクトル の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング