、バベはテナルディエをわきに呼んだ。
「お前はあの小僧をよく見たか。」と彼は尋ねた。
「どの小僧?」
「壁に上ってお前に綱を渡したあの小僧だ。」
「よかあ見ねえ。」
「俺《おれ》にもよくわからねえが、何だかお前の息子らしかったぜ。」
「ほう、」とテナルディエは言った、「そうかね。」
そして彼は向こうへ立ち去っていった。
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第七編 隠語
一 起原
Pigritia([#ここから割り注]怠惰[#ここで割り注終わり])とは恐るべき言葉である。
この言葉から、〔Pe`gre〕 すなわち盗賊という一つの社会と 〔pe'grenne〕 すなわち飢餓という一つの地獄とが生まれて来る。
かくして怠惰は母である。
この母に、盗賊というひとりの息子と飢餓というひとりの娘とがある。
我々はここに argot([#ここから割り注]隠語[#ここで割り注終わり])の世界のことを説いているのである。
隠語とは何であるか? それは同時に国民にしてまた特殊語である。それは人と言葉と両形式の下にいう盗賊である。
三十四年前、この厳粛なまた陰惨な物語の作者([#ここから
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