。きわめて麗わしい筆跡であると彼女は思った。皆同じ手跡ではあったが、インキの色は種々であって、時にはごく黒く、時には薄く、あたかもインキ壺《つぼ》に何度もインキを注したがようで、従ってまた書かれた日もそれぞれ異なっていることを示していた。それでみると、嘆息のまにまに、不規則に、秩序もなく、選択もなく、目的もなく、折りに従って、考えをそのまままき散らしたものらしかった。コゼットはかつてこんなものを読んだことがなかった。その手記中に彼女は陰影よりはなお多くの光明を認めて、あたかも聖殿の中をのぞき見るような気がした。それらの神秘な各行は、彼女の目に光り輝き、彼女の心を不思議な光輝でみなぎらした。彼女の受けた教育は、常に魂のことを説いていたが、かつて愛のことを説かなかった。燃えさしの薪《まき》のことを説いて、炎のことを説かないと同じだった。ところがその十五ページの手記は、彼女に突然やさしく示してくれた、すべての愛や、悲哀や、宿命や、人生や、永遠や、始めや、終わりやを。それはちょうど、突然開いて一握の光輝を投げ与えてくれる手のようなものだった。彼女はそれらの行のうちに感じた、情に燃えた熱烈な豊饒
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