――――――――――――――
 愛こそは、楽園の空気を吸う天国的な呼吸である。
    ――――――――――――――――
 深き心の者らよ、賢き精神の者らよ、神の造りたまいしままに人生を受け入れよ。それは長い試練であり、未知の宿命に対する測り難い準備である。この宿命は、真の宿命は、人にとっては墳墓の中に一歩をふみ入れるとともに始まる。その時何物かが現われてき、人は決定的なるものを認め始むる。決定的なるもの、この一語を黙想せよ。生者は窮まりなきものを見る。決定的なるものはただ死者にのみ示される。まずそれまでは、愛し苦しめよ、希望し静観せよ。ああ、肉体と形体と外観とをのみ愛する者は不幸なるかな。死はそれらのすべてを奪い去るであろう。魂を愛することをせよ、さらば魂は死しても再び見いださるるであろう。
    ――――――――――――――――
 愛をいだいているきわめて貧しいひとりの青年に、私は街路で出会った。帽子は古く、上衣はすり切れ、肱《ひじ》には穴があいており、水は靴《くつ》に通っていた。しかも星はその魂にはいっていた。
    ――――――――――――――――
 愛せらるるというはいか
前へ 次へ
全722ページ中243ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
ユゴー ヴィクトル の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング