考え込んでいて、ごく質素な服装をし、老年のせいかゆっくり歩いて、星明りの夕を逍遙《しょうよう》してるもののようだった。
 第二の人影は、背を伸ばし堅固でやせていた。前の男と歩調を合わしてはいたが、その故意にゆるくした歩き方のうちにも身軽さと敏捷《びんしょう》さとが見えていた。そして何となく荒々しい怪しいふうが感ぜられはしたが、それでも風流人士とも称し得るような様子をしていた。帽子はりっぱな形のものであり、フロック型の上衣は黒で仕立てもよく、地質も上等のものらしく、きっちり身体に合っていた。みごとな健やかな様子で頭をすっくと上げ、帽子の下からは、青年らしい白い顔が薄ら明りにぼんやり見えていた。口には一輪の薔薇《ばら》の花をくわえていた。ガヴローシュはその第二の人影に確かな見覚えがあった。それはモンパルナスだった。
 第一の人影については、ただ素朴な老人であるというほか、彼は何にも知るところがなかった。
 ガヴローシュは直ちに観察にとりかかった。
 ふたりの通行人のうちのひとりは、もひとりに対して何か計画をいだいてることは明らかだった。ガヴローシュはその成り行きを見るのにいい地位にいた。寝
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