一日を過ごした時、多くの困難な人々を助け、多くの子供を慰めあたためてやった時、晩にコゼットはいくらか快活になることもあった。ふたりがジョンドレットの陋屋《ろうおく》を見舞ったのは、ちょうどそういう時だった。
その訪問のすぐ翌朝、ジャン・ヴァルジャンは母家《おもや》へやってきた。いつものとおり落ち着いてはいたが、左の腕にぞっとするようなまっかな大きな傷がついていた。ちょうど火傷《やけど》のようだったが、彼は何とかその原因を説明した。そして傷のために熱が出て、一カ月余り家に閉じこもっていた。医者に診《み》せようともしなかった。コゼットがうるさく勧めると、「犬の医者でも呼んでおいで、」と彼は言った。
コゼットはいかにも神々《こうごう》しい様子で、彼の用をすることに天使のような喜びを示して、朝晩その傷に繃帯《ほうたい》をしてやった。それでジャン・ヴァルジャンは、昔の喜悦がすべてまた返ってきたような気がし、恐れと心痛とは消え失せたような気がして、コゼットを見守りながら言った、「実に有り難い傷だ、実に有り難い不幸だ!」
コゼットは父が病気なのを見て、母家《おもや》をすて、小さな離室《はなれ》
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