。ジャン・ヴァルジャンはその花の上の小さな指先に見とれて恍惚《こうこつ》となり、その娘から発する光輝のうちにすべてを忘れていた。そばの茂みには一匹の駒鳥《こまどり》が低くささやいていた。白い雲が自由に放たれたかのように楽しく空を渡っていた。コゼットは花弁に心を集めてむしり取っていた。何かを思いふけってるらしかったが、それも楽しいことに違いなかった。と突然彼女は、白鳥のように得も言えぬゆるやかさで頭を肩の上に回らして、ジャン・ヴァルジャンに言った。「お父様、徒刑場とはどんな所でございますか?」
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第四編 地より来る天の救い
一 外の傷、内の回復
彼らふたりの生活は、右のようにしだいに陰鬱《いんうつ》になってきた。
彼らにはもう一つの気晴らししか残っていなかった。それも以前では一つの幸福となっていたところのものである。すなわち、飢えた者にパンを持っていってやり、凍えた者に着物を持っていってやることだった。そして貧しい人々を訪れる時、コゼットはよくジャン・ヴァルジャンの供をして、ふたりは昔のへだてない気持ちを多少取り返すことができた。時としては、よい
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