争い、彼女を引き止め、何か花々しい外部的なことで彼女を心酔させようとした。そういう考えは、今言ったとおり子供らしいものであり、また同時に老人らしいものであるが、彼はかえってその幼稚さのために、金モールが若い娘の想像力におよぼす力をかなりよくさとった。彼はある時偶然に、パリーの司令官たる伯爵クータール将軍が、正装をして馬上で街路を通るのを見た。彼はその金ぴかで飾られてる人をうらやんだ、そして自ら言った。「一点の非もないあのりっぱな服をつけることができたらどんなにか幸福であろう。自分があんな様子をしてるところをコゼットに見せたら、彼女はそれに心を奪われてしまうだろう。そしてコゼットに腕を貸してテュイルリー宮殿の門の前を通ったら、兵士らは自分に捧《ささ》げ銃《つつ》をしてくれるだろう。それでコゼットにはもう十分で、若い男などに目をつけるというような考えをなくしてしまうだろう。」
ところがそういう悲しい考えに沈んでいるうちに、思いがけない打撃が起こってきた。
ふたりが送っていた孤独な生活のうちに、プリューメ街に住むようになってから、一つ習慣ができてきた。彼らは時々、日の出を見に行くために野
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