uドンヌール勲章のオフィシエ受賞者だぞ」に傍点]。」ポンメルシーは答えた。「陛下[#「陛下」に傍点]、やがて寡婦たるべき妻のために御礼を申しまする[#「やがて寡婦たるべき妻のために御礼を申しまする」に傍点]。」一時間後に彼はオーアンの峡路におちいった。さてこのジョルジュ・ポンメルシーとは何人《なんびと》であったか。それはやはりあの「ロアールの無頼漢」その人であった。
以上が彼の経歴の大略である。ワーテルローの戦いの後、読者は思い起こすであろうが、ポンメルシーはオーアンの凹路《おうろ》から引き出され、首尾よく味方の軍隊に合することができ、野戦病院から野戦病院へ運び回され、ついにロアールの舎営地に落ち着いたのである。
王政復古のために彼は俸給を半減され、次にヴェルノンの住居へ、すなわち監視の下に、置かれることになった。国王ルイ十八世は一百日([#ここから割り注]訳者注 ナポレオンの再挙の間のこと[#ここで割り注終わり])のうちに起こったすべては無効であると考えていたので、彼に対しても、レジオン・ドンヌール勲章のオフィシエ受賞者であることも、大佐の階級も、男爵の肩書きも、少しも認めてはく
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