た刑事との一隊が、ジャヴェルの声に応じておどり込んできた。そして悪漢どもを縛り上げた。一本の蝋燭《ろうそく》の光がそれら一群の人々をようやく照らして、部屋《へや》の中はいっぱい影に満ちた。
「皆に指錠をはめろ。」とジャヴェルは叫んだ。
「そばにでもきてみろ!」と叫ぶ声がした。それは男の声ではなかったが、さりとて女の声とも言い得ないものだった。
テナルディエの女房が窓の一方の角によって、その怒鳴り声を揚げたのだった。
巡査や刑事らは後ろにさがった。
彼女は肩掛けをぬぎすてて、帽子だけはかぶっていた。亭主はその後ろにうずくまって、ぬぎすてられた肩掛けの下に身を隠さんばかりにしていた。彼女はまたそれを自分の身体でおおいながら両手で頭の上の畳石を振りかざして、岩石を投げ飛ばさんとする巨人のように調子を取っていた。
「気をつけろ。」と彼女は叫んだ。
人々は廊下の方へ退いた。室のまんなかには広い空地があいた。
テナルディエの女房は指錠をはめられるままに身を任した悪漢どもの方をじろりと見やって、つぶれた喉声《のどごえ》でつぶやいた。
「卑怯者《ひきょうもの》!」
ジャヴェルはほほえんだ。
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