ョンドレットが自分とその画面との間に立っているので、何が描いてあるかはっきり見て取ることができなかった。しかしちょっと見た所、粗末な書きなぐりのものらしく、その主要人物らしいのには、見世物の看板か屏風《びょうぶ》の絵かに見るようななまなましい色彩が施してあった。
「それは何ですか。」とルブラン氏は尋ねた。
ジョンドレットは勢いよく言った。
「大家の絵でして、非常な価値《ねうち》のあるもので、旦那様《だんなさま》。私はふたりの娘と同じぐらいにこれを大事にしていまして、種々の思い出がこもっているのでございます。ですが今申しましたとおり、まったくのところ、ごく困っているものですから、これを売ってしまいたいと存じまして……。」
偶然にか、それとも多少不安を感じ初めたのか、ルブラン氏はその画面をながめながらもちらと室《へや》のすみを見やった。そこには今や四人の男がいた。三人は寝台に腰掛け、ひとりは扉《とびら》の框《かまち》のそばに立っていた。四人とも腕をあらわにし、身動きもしないで、顔は黒く塗られていた。寝台に腰掛けてる三人のうちのひとりは、壁によりかかって目を閉じ、あたかも眠ってるかのよう
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