く気をつけて見ているんだ。壁に穴があると言ったね。奴《やつ》らがやってきたら、しばらく勝手にさしておくがいい。そしてここだと思ったら、手を下す時だと思ったら、ピストルを打つんだ。早すぎてはいかん。それからは私《わし》の仕事だ。ピストルを打つのは、空へでも、天井へでも、どこでもかまわん。ただ早くしすぎないことだ。いよいよ仕事が初まるまで待つんだ。君は弁護士と言ったね、それくらいのことはわかってるだろう。」
マリユスは二梃のピストルを取って、上衣のわきのポケットの中に入れた。
「それじゃふくらんで外から見える。」と警視は言った。「それよりズボンの両方の隠しに入れるがいい。」
マリユスはピストルを各、ズボンの両の隠しに入れた。
「もうこれで一刻もぐずぐずしておれない。」と警視は言った。「今|何時《なんじ》だ? 二時半か。それは七時だったな。」
「六時です。」とマリユスは言った。
「まだ充分時間はある、が余るほどはない。」と警視は言った。「今言ったことを少しでも忘れてはいかん。ぽーんとピストルを一つ打つんだぞ。」
「大丈夫です。」とマリユスは答えた。
そしてマリユスが出て行こうとして扉《
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