ジョンドレットの女房に目を注いだ。彼女は片すみから古い鉄の火鉢《ひばち》を引き出し、また鉄屑《てつくず》の中に何かさがしていた。
彼は音を立てないように注意してできるだけ静かに戸棚からおりた。
今なされつつある事柄に対して恐怖の念をいだきながらも、またジョンドレット一家の者らに対して嫌悪《けんお》の感をいだきながらも、彼は自分の愛する人のために力を尽くすようになったと考えて、一種の喜びを感じた。
しかしどうしたらいいものか? ねらわれてるふたりに知らせると言ったところで、ふたりをどこに見いだすことができよう。マリユスはその住所を知らなかった。ふたりはちょっと彼の目の前に現われて、それから再びパリーの深い大きな淵《ふち》の中に沈んでしまったのである。あるいは晩の六時に、ルブラン氏がやって来る時に、扉《とびら》の所に待っていて、罠《わな》のあることを知らせるとしようか。しかしジョンドレットとその仲間の者らは、自分が待ち受けてるのを見つけるに違いない。あたりには人もいないし、向こうの方が強いので、彼らは何とでもして自分を捕えてしまうか、または自分を遠ざけてしまうだろう。そうすれば自分が
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