スさん、あなたはふさいでるわね。どうかしたの?」
「私が!」とマリユスは言った。
「ええ、あなたがよ。」
「私はどうもしません。」
「いいえ。」
「本当です。」
「いいえきっとそうだわ。」
「かまわないで下さい。」
マリユスはまた扉を押しやったが、娘はなおそれをささえていた。
「ねえ、あなたはまちがってるわ。」と彼女は言った。「あなたはお金持ちでもないのに、今朝《けさ》大変親切にしてくれたでしょう。だから今もそうして下さいな。今朝あたしに食べるものをくれたでしょう、だからこんどは心にあることを言って下さいな。何かあなたは心配してるわ、よく見えてよ。あたしあなたに心配させたくないのよ。どうしたらいいの。あたしでは役に立たなくて? あたしを使って下さいな。何もあなたの秘密を聞こうっていうんじゃないわ、そんなこと言わなくてもいいわよ。でもあたしだって役に立つこともあってよ。あなたの手伝いぐらいあたしにもできるわ、あたしは父さんの用を助けてるんだもの。手紙を持っていくとか、人の家へいくとか、方々尋ね回るとか、居所をさがすとか、人の跡をつけるとか、そんなことならあたしにもできてよ。ねえ、何のこ
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