ら身動きもしないで、渦巻《うずま》き降る雪の中で話をしていた。その互いに身を寄せ合ってるさまは、確かに警官の目をひくべきものだったが、マリユスはあまり注意を払わなかった。
けれども、彼はいかに心が悲しみに満たされていたとは言え、ジョンドレットが話しかけてるその場末の浮浪人にどこか見覚えがあるような気がしてならなかった。何だかパンショーという男に似てるようだった。パンショーと言えば、クールフェーラックがかつて教えてくれた男で、またその付近ではかなり危険な夜盗だとして知られてる男で、別名をプランタニエもしくはビグルナイユと言っていた。その名前は前編で読者の既に見たところである。このパンショー一名プランタニエ一名ビグルナイユは、後に多くの刑事裁判のうちに現われてきて、ついに有名な悪党となった者であるが、当時はただ名が通ってるというだけの悪者にすぎなかった。そして今日では既に、盗賊強盗らの間にひとりの伝説的人物となっている。彼は王政の終わり頃にはもう一方の首領となっていた。夕方、まさに夜にならんとする頃、囚人らが集まって低くささやき合う時には、彼はフォルス監獄の獅子《しし》の窖《あなぐら》(
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