う語の二字のうちに含まれる光り輝く意味を知っているであろう。
 まさしく彼女であった。マリユスは突然眼前にひろがった光耀《こうよう》たる霧を通して、ほとんど彼女の姿を見分けることができないくらいだった。がそれはまさしく、姿を隠したあのやさしい娘だった、六カ月の間彼に輝いていたあの星だった、あの瞳《ひとみ》、あの額、あの口、消え去りながら彼を暗夜のうちに残したあの美しい顔だった。その面影は一度見えなくなったが、今また現われたのである。
 その面影は再び、この影の中に、この屋根部屋《やねべや》の中に、この醜い陋屋《ろうおく》の中に、この恐ろしい醜悪の中に、現われきたったのである。
 マリユスは我を忘れておののいた。ああまさしく彼女である! 彼は胸の動悸《どうき》のために目もくらむほどだった。まさに涙を流さんばかりになった。ああ、あれほど長くさがしあぐんだ後ついにめぐり会おうとは! 彼はあたかも、自分の魂を失っていたのをまた再び見いだしたような気がした。
 彼女はやはり以前のとおりで、ただ少し色が青くなってるだけだった。その妙《たえ》なる顔は紫ビロードの帽子に縁取られ、その身体は黒繻子《くろ
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