見られる。
マリユスは思いに沈んで、彼女を勝手にさしておいた。
彼女はテーブルに近づいた。
「ああ、本が!」と彼女は言った。
彼女の曇った目はある光に輝いた。そしていかなる人の感情のうちにもある喜ばしい自慢の念をこめた調子で、彼女は言った。
「あたし読むことができるのよ。」
彼女はテーブルの上に開いてあった一冊の書物を元気よく取り上げて、かなりすらすらと読み下した。
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……ボーデュアン将軍は、旅団の五大隊をもってウーゴモンの城を奪取すべしとの命令を受けぬ、城はワーテルロー平原……の
[#ここで字下げ終わり]
彼女は読むのを止めた。
「ああ、ワーテルロー、あたしそれを知ってるわ。昔の戦争ね。うちのお父《とう》さんも行ったのよ。お父さんは軍人だったのよ。うちの者はみなりっぱなボナパルト党だわ。ワーテルローって、イギリスと戦《いくさ》した所ね。」
彼女は書物を置いて、ペンを取り、そして叫んだ。
「それからまたあたし、書くこともできてよ。」
彼女はペンをインキの中に浸して、マリユスの方へ向いた。
「見たいの? ほら今字を書いて見せるわ。」
そしてマリユ
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