なることに候ぞや。他人より救助せらるるを待ちながら、しかも飢餓に苦しみ飢餓に死するの自由さえもなきもののごとくに候。運命はある者にはあまりに冷酷に、またある人にはあまりに寛大にあまりに親切にこれ有り候。貴下の御来臨を待ち申し候。あるいはおぼし召しあらば御施与を待申候。しかして拙者の敬意を御受け下されたく願上げ候。
[#ここで字下げ終わり]
[#地から5字上げ]大人閣下のきわめて卑しき従順なる僕《しもべ》
[#地から3字上げ]俳優 ファバントゥー

 それら四通の手紙を読み終わったが、マリユスは前と同じく何らの手掛かりも得なかった。第一に、どの手紙にも住所がついていなかった。
 次に手紙は、ドン・アルヴァレスとバリザールの家内と詩人ジャンフローと俳優ファバントゥーと、四人の違った人からのものらしかったが、不思議にも四つとも同じ筆蹟だった。
 四つとも同一人からのものでないとするならば、それをいかに解釈したらいいか?
 その上、ことにそう考えさせることには、四通とも同じ粗末な黄色い紙であり、同じ煙草《たばこ》のにおいがしていた。そして明らかに文体を変えてはあるが、同じような文字使いが絶えず
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