地生まれの男だと一般に思われていた。一八一五年にアヴィニョンで運搬夫となっていたことがあるので、ブリューヌ元帥([#ここから割り注]訳者注 一八一五年アヴィニョンにて暗殺され河中に投ぜられし人[#ここで割り注終わり])にもいくらか手をつけたことがあるに違いない。その後運搬夫をやめて悪漢となったのである。
バベの小柄なのは、グールメルの粗大と対照をなしていた。バベはやせており、また物知りだった。身体は薄いが、心は中々見透かし難かった。その骨を通して日の光は見られたが、その瞳《ひとみ》を通しては何物も見られなかった。彼は自ら化学者だと言っていた。ボベーシュの仲間にはいって道化役者となり、またボビノの仲間にはいって滑稽家《こっけいか》となっていたこともある。サン・ミイエルでは喜劇を演じたこともある。気取りやで、話し上手で、大げさにほほえみ、大げさに身振りをした。「国の首領」の石膏像《せっこうぞう》や肖像を往来で売るのを商売にしていた。それからまた歯抜きもやった。市場《いちば》で種々な手品を使ってみせた。一つの屋台店を持っていたが、それにラッパと次の掲示とをつけていた。――諸アカデミー会員歯
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