なら、フランスは今それをしてるところだ。評議するならしろ、やくざ者め! オデオンの拱廊《きょうろう》で新聞なんか読むからそういうことになるんだ。一スーの金を出して、それでもう、やれ識見だの知力だの心だの魂だの精神だのができ上がる。そして出て来ると、家の中でいばり散らす。新聞というものは疫病神《やくびょうがみ》だ。どれもそうだ。ドラポー・ブラン紙にしたって、記者のマルタンヴィルはジャコバン党だった。ああ、貴様は、祖父を絶望さして得意になってるんだろう。貴様は?」
「そのとおりです。」とテオデュールは言った。
 そしてジルノルマン氏が息をついてる間に乗じて、槍騎兵《そうきへい》はおごそかに言い添えた。
「新聞は機関新聞だけにし、書物は軍事年報だけにするがよろしいんです。」
 ジルノルマン氏は言い続けた。
「シエイエスのようなものだ。国王を殺しながら上院議員になる。奴《やつ》らの終わりはいつもそうだ。ぞんざいないやしい言葉を使いながらついには伯爵殿と言われるようになろうというわけだ。腕のように図太い伯爵殿だ、九月(一八九二年)の虐殺者どもだ。哲人シエイエスだ。幸いに私《わし》は、そういう哲人
前へ 次へ
全512ページ中268ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
ユゴー ヴィクトル の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング