の例に移ってみよう。僕はイギリスを賞賛すべきなのか。フランスを賛美すべきなのか。フランスだって? そしてその理由もパリーがあるためなのか。しかし昔のパリーたるアテネについての意見は今述べたとおりだ。またイギリスの方は、ロンドンがあるためなのか。僕は昔のロンドンたるカルタゴがきらいだ。それからロンドンは、華美の都だがまた悲惨の首府だ。チャーリング・クロス教区だけでも、年に百人の餓死者がある。アルビオン([#ここから割り注]訳者注 古代ギリシャ人がイギリスに付せし名称[#ここで割り注終わり])とはそういう所だ。なおその上、薔薇《ばら》の冠と青眼鏡《あおめがね》とをつけて踊ってるイギリスの女を見たこともあると、僕はつけ加えよう。イギリスなどはいやなことだ。しからば、ジョンブルを賛美しないとすれば、その弟のジョナサンを賛美せよと言うのか。僕はこの奴隷《どれい》ばかりの弟は味わいたくない。時は金なり[#「時は金なり」に傍点]という言葉を除けば、イギリスには何が残るか。綿は王なり[#「綿は王なり」に傍点]という言葉を除けば、アメリカには何が残るか。またドイツは淋巴液《りんぱえき》であり、イタリーは
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