ね。三度名を呼んで答えがないと、名前が消されてしまうんだ。すると六十フラン飛んでいってしまうさ。」
マリユスは耳を傾け初めた。レーグルは言い続けた。
「出席をつけたのはブロンドーだった。君はブロンドーを知ってるかね、ひどくとがったずいぶん意地悪そうな鼻をしている奴さ。欠席者をかぎ出すのを喜びとしてる奴さ。あいつ狡猾《こうかつ》にホ[#「ホ」に傍点]という文字から初めやがった。僕は聞いていなかった。そういう文字では僕は少しも損害をうける訳がないんだからね。点呼はうまくいった。消される者は一人もなかった。皆出席だったんだ。ブロンドーの奴悲観していたね。僕はひそかに言ってやった、ブロンドー先生、今日は少しもいじめる種がありませんねって。すると突然ブロンドーは、マリユス[#「マリユス」に傍点]・ポンメルシー[#「ポンメルシー」に傍点]と呼んだ。だれも答えなかった。ブロンドーは希望にあふれて、いっそう大きな声でくり返した、マリユス[#「マリユス」に傍点]・ポンメルシー[#「ポンメルシー」に傍点]。そして彼はペンを取り上げた。君、僕には腸《はらわた》があるんだからね。僕は急いで考えたんだ。これは
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