がなわれたる進歩は、この優しくまじめなる精神を半ばしか満足せしめなかった。一七九三年のように、民衆がまっさかさまに真理の中に飛び込むことは、彼を恐れさした。しかし彼にとっては、停滞はなおいっそう嫌悪《けんお》すべきものであった。彼はそこに腐敗と死滅とを感じた。全体として言えば、彼は瘴癘《しょうれい》の気よりも泡沫《ほうまつ》を愛し、下水よりも急流を愛し、モンフォーコンの湖水よりもナイヤガラ瀑布《ばくふ》を愛した。要するに彼は、止まることをも急ぐことをも欲しなかったのである。騒々しい友人らが、絶対なるものに勇ましく心ひかれて、輝かしい革命的冒険を賛美し、それを呼び起こさんとしている中にあって、コンブフェールはただ、進歩をして自然に進ませようと欲した。それは善良な進歩であって、おそらく冷ややかではあろうがしかし純粋であり、方式的ではあろうがしかし難点なきものであり、平静ではあろうがしかし揺るがし得ないものであったろう。コンブフェールは自らひざまずいて手を合わせ、未来が純潔さをもって到来せんことを祈り、何物も民衆の広大有徳なる進化を乱すものなからんことを祈ったであろう。「善は[#「善は」に傍
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