術における苦痛の減退、暗室中の現象、電信、軽気球の操縦など。のみならず、人類に対抗して迷信や専断や偏見によって至る所に建てられた要塞《ようさい》には、あまり恐れをいだかなかった。学問はついに局面を変えるに至るであろうと考えてる者のひとりだった。アンジョーラは首領であり、コンブフェールは指導者であった。一方は共に戦うべき人であり、一方は共に歩くべき人であった。とは言え、コンブフェールとても戦うことを得なかったのではない。彼は障害と接戦し、溌剌《はつらつ》たる力と爆発とをもって攻撃することを、あえて拒むものではなかった。しかしながら、公理を教え着実なる法則を流布して、しだいに人類をその運命と調和させて行くこと、それが彼の喜ぶところのものだった。そして二つの光の中で、彼の傾向は、焼き尽す光よりもむしろ輝き渡る光の方にあった。火事は疑いもなく曙《あけぼの》を作ることができるであろう。しかし何ゆえに太陽の登るのを待ってはいけないか。火山は輝き渡る、しかし暁の光はいっそうよく輝き渡るではないか。コンブフェールは崇高の炎よりも、美の純白の方をおそらく好んだであろう。煙に悩まされたる光、暴力によってあ
前へ
次へ
全512ページ中164ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
ユゴー ヴィクトル の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング