ッられ踏みにじられた。しかもだれによってであるか。祖父によってではないか。一方を凌辱《りょうじょく》することなくして一方を復讐《ふくしゅう》することがどうしてできよう。祖父を辱《はずか》しむることはできない、また、父の讐《あだ》を報じないで捨ておくことも同じくできない。一方には神聖なる墳墓があり、他方には白髪がある。しばらく彼は酔ったようによろめきながら、頭の中には旋風が渦巻いた。やがて彼は目を上げ、祖父をじっと見つめ、そして雷のような声で叫んだ。
「ブールボン家なんかぶっ倒れるがいい、ルイ十八世の大豚めも!」
ルイ十八世はもう四年前に死んでいた。しかしそんなことは彼にはどうでもよかった。
老人はまっかになっていたが、突然髪の毛よりもなお白くなった。彼は暖炉の上にあったベリー公の胸像の方を向いて、変に荘重な態度で深く礼をした。それから黙ったままおもむろに暖炉から窓へ、窓から暖炉へと、二度|室《へや》の中を横ぎり、石の像が歩いてるように床《ゆか》をぎしぎしさした。二度目の時彼は、年取った羊のように惘然《もうぜん》としてその衝突をながめていた娘の方へ身をかがめて、ほとんど冷静な微笑をた
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