アのはるかな廉潔な時代の客間のありさまであった。そしてそこでは、マルタンヴィル氏はヴォルテールよりもいっそうの機才を持っていたのである。
それらの客間は、自分だけの文学と政治とを持っていた。フィエヴェーが信用を得ていた。アジエ氏が法令をたれていた。マラケー川岸の古本出版商コルネ氏が種々批評を受けていた。ナポレオンはそこでは、まったくコルシカの食人鬼にすぎなかった。その後、国王の軍隊の陸軍中将ブオナパルテ侯爵([#ここから割り注]訳者注 ナポレオンのこと[#ここで割り注終わり])という語が歴史の中に入れられたのは、時代精神への譲歩であった。
それらの客間は、長く純潔であることはできなかった。既に一八一八年ごろより、数人の正理派は芽を出し初めて、不安な影となった。それらの人々のやり方は、王党であるとともにそれを弁明することだった。過激派らがきわめて傲然《ごうぜん》としていたところに、正理派らは多少の恥を感じていた。彼らは機才を持っていたし、沈黙を持っていた。その政治的信条には、適当に倨傲《きょごう》さが交じえられていた。その成功は当然だった。彼らは白い襟飾《えりかざ》りとボタンをすっか
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