ァンは急に鈴のついた膝当《ひざあて》を釘《くぎ》から取りおろして、それを膝《ひざ》にはめた。
「こんどは私の番です。院長さんが私を呼んでいます。どれ一走り行ってきます。マドレーヌさん、ここを動いてはいけませんよ。待っていて下さい。何かまた工夫もつきましょうから。腹がすきましたら、あすこに葡萄酒《ぶどうしゅ》もパンもチーズもありますよ。」
そして彼は小屋を出ながら言った、「ただ今参ります、ただ今!」
ジャン・ヴァルジャンは彼の姿を見送った。彼はその跛の足でできる限り急いで、横目で瓜畑《うりばたけ》の方を見ながら庭を横ぎって行った。
それから十分とたたないうちに、フォーシュルヴァン爺《じい》さんは鈴の音で修道女らを追い散らしながら進んでいって、一つの扉《とびら》を軽くたたいた。静かな声が中から答えた、「永遠に[#「永遠に」に傍点]、永遠に[#「永遠に」に傍点]、」すなわち「おはいり[#「おはいり」に傍点]」と。
その扉は、用のある時庭番を呼ぶことになってる応接室の扉だった。その応接室は集会の室《へや》に続いていた。修道院長は室の中にあるただ一つの椅子《いす》に腰掛けて、フォーシュル
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