ない。享楽するということ、それはいかにつまらない目的であり、いかに弱々しい野心であるか。禽獣《きんじゅう》のみが享楽する。思考すること、そこにこそ人の魂の真の勝利がある。人々の飢渇に思想を差し出し、すべての者に強壮剤として神の観念を与え、彼らのうちに本心と学問とを親和せしめ、その神秘なる面接によって彼らを正しき人たらしむること、それが真の哲学の使命である。倫理は多くの真理の開花である。静観することはやがて行動することになる。絶対的なるものは実際的なるものでなければならない。理想なるものは、人の精神にとっては呼吸し飲み食し得るものでなければならない。「取れよ[#「取れよ」に傍点]、これこそわが肉[#「これこそわが肉」に傍点]、これこそわが血なり[#「これこそわが血なり」に傍点]、」というの権利を有するものは、実に理想である。知恵は一つの神聖なる聖体拝受《コンミュニオン》である。かかる条件においてこそ、知恵は単に無益なる好学心たることを止めて、人類組合の唯一にして最高なる方法とはなるのである。そしてかかる条件においてこそ、知恵は哲学より宗教へまで上りゆくのである。
哲学というものは、神秘
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