肉が見えており、銀の荊棘《いばら》の冠をかぶり、金の釘《くぎ》でつけられ、額には紅玉《ルビー》の血がしたたり、目には金剛石《ダイヤ》の涙が宿っている。その金剛石と紅玉とはぬれてるようで、その下の影の中に面紗《かおぎぬ》をかぶった人たちを泣かせる。彼女らは鉄のついた鞭《むち》と毛帯とで脇腹を傷つけ、柳蓆《やなぎこも》で胸を押しつぶし、祈祷のために膝の皮をすりむいている。めとりし者と自らを想像してる女ども、天使と自らを想像してる幽霊ども。それらの女は考えているのか、否。欲しているのか、否。愛しているのか、否。生きているのか、否。その神経は骨となり、その骨は石となっている。その面紗は編まれたる暗夜である。面紗の下のその呼吸は、言い知れぬ悲壮なる死の息にも似寄っている。一個の悪鬼たる院長が、彼女らをきよめ彼女らを恐怖さしている。生々しい無垢《むく》がそこにある。かくのごときすなわちスペインの古い修道院のありさまである。恐るべき帰依の巣窟《そうくつ》、童貞女らの洞穴《どうけつ》、残忍の場所である。
カトリック教のスペインは、ローマ自身よりももっとローマ的であった。スペインの修道院は、特にカトリ
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