い場所の中にあるものは、何物も俗人の目から見られてはいけなかった。
 けれども、その影の向こうには何かがあったのである。一つの光明があったのである。その死の影の中には一つの生命があったのである。その女修道院は最も世人を避けたものではあったけれども、われわれはこれからその中にはいり込み、読者をもその中に導いて、まだかつていかなる物語作者も見たことのないものを、従ってまだかつて語られたことのないものを、度を越えない範囲において語ってみようと思う。

     二 マルタン・ヴェルガの末院

 ずっと以前から引き続いて一八二四年までなおピクプュス小路にあったその修道院は、マルタン・ヴェルガの分派であるベルナール派修道女らのものであった。
 従ってそれらのベルナール派修道女らは、ベルナール派修道士らのごとくクレールヴォーへ属してるのではなく、ベネディクト派修道士らのごとくシトーに属していた。いい換えれば、彼女らは聖ベルナールへではなく、聖ベネディクトへ帰依してるのであった。
 少しく古文書を読んだことのある者はだれでも知ってるとおり、一四二五年にマルタン・ヴェルガは、ベルナール派修道女とベネデ
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